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Soil 最後の営業日

ソイル最終日は雨でした。

この5年間、雨の日はだいたい暇だった記憶がります。

雨がトタンを叩く音が心地よくて、大きな窓から見える東山に霧がかかって、僕が普段聞いている音楽は、雨の日に心に染みわたるものが多いことを知りました。

人は辛いときや孤独なときに人の親切を感じやすくなって、感謝の気持ちが強くなるけれど、辛くない時にも感謝の気持ちを忘れちゃ駄目だと学びました。

普段は腰が重たい分、思い立ったらすぐにでも行動を起こしたくなるせっかちな僕が、勢いだけで始めたお店も気がつけば5年が経ちました。

この場所のおかげで多くの人と出会い、様々なことを学びました。大切なことをたくさん教えていただきました。この場所がきっかけで、かけがえのないの友達ができて、素晴らしい方々と知り合うことが出来ました。

仕入れてきた古道具を買ってくださるお客様がいるから、また新しいものを仕入れることができて、皆様のおかげで毎日多くのものを見つめて触ることができました。ものを仕入れるたびに新たな発見があって、この5年間はバカみたいに古道具のことばかり考えていました。

この5年間で、ものの捉え方や感じ方も変化していきました。ものと空間の関係性も強く意識するようになったので、いまのソイルの空間では表現に限界があると感じて、1、2年前から引っ越しを考えるようになりました。

でも、自分の表現だとか格好つけたことばかり言って、自分のための仕入れをしてるようじゃ駄目だと思っています。理想の着地点なんてわかりませんが、良いバランスをとることが次の課題です。

ふと、学生のころにアルバイトしていたカフェのオーナーがおっしゃっていた「お店というのは店主の成長とともに成長させていくのが自然で良い。」という言葉が思い出されました。

店舗移転先は廃屋となった長屋です。今の僕にちょうど良いのでないかと感じたので、お話をいただいた日に即決しました。楽しみながら改装していこうと思います。新店舗オープンは8月になりそうです。

寂しい気持ちと次への希望で複雑な心境ですが、今はただ、多くのお客様や仲間に支えられて、これまで続けてこれたことへの感謝の気持ちでいっぱいです。

ありがとうございました。

そして、これからもどうぞ宜しくお願い致します。